スポーツ
ASEAN諸国には、チンロンやセパタクローなど、日本では余り知られていない伝統競技が数多くあり、人々に親しまれています。
その他、サッカーやバスケットボール、バドミントンなども人気で、特にマレーシアやインドネシアは、バドミントンの強豪国としても知られています。
以下、ASEAN諸国でポピュラーなスポーツをご紹介しましょう。
chinlone
チンロン
sepak takraw
セパタクロー
東南アジア発祥の「空中の格闘技」
セパタクローは、東南アジア発祥のスポーツで、「空中の格闘技」とも呼ばれている、足を使った球技です。2m50cmもの高さで繰り広げられるネット際の攻防が魅力的な、プレイするのはもちろん、観る人も楽しめるスポーツです。
pencak silat
プンチャック・シラット
1000年の歴史を持つ
マレー地域の伝統武術
プンチャック・シラットとは、インドネシアを中心とするマレー地域発祥の1000年の歴史を持つ伝統武術で、インドネシアでは国技にもなっています。また、ブルネイ、マレーシア、シンガポールなどのマレー圏でも盛んです。自分の心身を磨き、素手・素足を基本に、時には武器も使用する武術です。
プンチャック・シラットは、1987年のジャカルタ大会以来、SEA Games(東南アジア競技大会)の正式種目となっています。また、2018年にジャカルタで行われるアジア大会でも正式種目に加えられることが決定しており、ASEAN地域のみならず、アジア全域で浸透しつつあります。
競技プンチャック・シラットとは
プンチャック・シラットには、
- メンタル・スピリチュアル(精神安定と集中力を養う)
- 護身術(身を守るための型や技を学ぶ)
- 演武(民族音楽に合わせて型を演ずる)
- 競技シラット(試合ルールに従って戦う格闘競技及び規定型演武)
アジア・オリンピック評議会(OCA)のルールブックに記載されている「プンチャック・シラット」とは、この4要素のうち最後、D)競技プンチャック・シラットを指します。競技シラットはボティープロテクターを着け、スコアを競って戦う試合部門と、規定あるいは自由型を競う演武部門があります。
muay thai
ムエタイ
タイ式キックボクシング
14~18世紀に栄えたアユタヤ王朝(タイ)が隣国による侵略の危機にさらされていた際に、素手で相手を倒すために編み出された武術がムエタイ。「ムエ」は「格闘技」を意味し、つまり「タイの格闘技」を表しています。ムエタイは、頭、両手両足、両ひざ、両肘と、身体のあらゆる箇所を武器としており、組み合っての技術にもさまざまなバリエーションがあるのが特徴的です。
パンチ、キック、膝蹴りと体全体を武器にして、スピーディーに、そして激しく打ち合う姿がエキサイティングなスポーツです。
da cau
ダーカウ
ベトナムの足バトミントン
ダーカウは、バドミントンの羽根を長くしたような、重りのついた羽を足で蹴り合う遊びで、ベトナムでは老若男女問わず、町のいたるところでダーカウをしている人たちを目にすることができます。
数人で集まり、サッカーのリフティングの要領で、手以外を使って地面に落とさないように蹴りあい、ラリーを続けます。上手な人は足の裏や肩などを駆使してとても器用に、さも簡単そうに華麗にパスし合います。
ダーカウの起源は紀元前5世紀の中国で始まった「ティーチェンズ」という遊びを起源とすると言われており、とても長い歴史があります。1936年のベルリンオリンピックで中国人選手が披露したことがきっかけで、ヨーロッパでも「コックシャトル」など呼ばれて広がり、今では世界大会が行われるほどになりました。
SEA Games
東南アジア版オリンピック!?
“SEA Games”とは、「South East Asian Games」の略で、日本では東南アジア競技大会と呼ばれています。1959年から開催されている歴史ある総合競技大会で、現在ASEAN全10カ国と東ティモールが参加し、2年に1度開催されています。
種目は、セパタクローを始め、ムエタイやプンチャック・シラット等の東南アジア発祥の競技の他、陸上、水泳、テコンドー、レスリング、サッカーなど様々です。