民族楽器
ASEAN諸国の音楽は、中国やインドといった近隣諸国や外来文化の影響を受けつつ、各地の民族的な伝統行事・儀礼、信仰・宗教などと深く結びついて発達してきました。以下ではASEAN諸国の珍しい楽器を、いくつかご紹介します。
写真提供:いずれも民族音楽センター、浜松市楽器博物館バリンビン
フィリピンの打楽器
竹筒の先を2つに割ったような形の打楽器。筒の下を片手で持って、先の部分をもう片方の手首でたたいてビリビリという音を出して、指穴を押さえたりあけたりして音色を変えます。音程の違う6本が一組で、伝統的な演奏法では、一人で演奏するか、6人で合奏します。
グンデル
インドネシアの打楽器
青銅製の鉄琴の一種。鍵盤の数は音楽の種類で様々ですが、10数枚のものが良く使用されています。床に座ったままで、ばちを持って演奏します。インドネシアの音楽「ガムラン」のメロディーの部分を担当します。
サウンガウ
ミャンマーの弦楽器
16本の弦が張られた弓形のハープ=竪琴(たてごと)。椅子などに座り、内側に曲がった棒が左側に来るようにひざの上に乗せ、右手で弦をはじいて、左手で音の高さを変えます。
サペ
マレーシアの弦楽器
ボルネオ島の少数民族の弦楽器。伝統的には3本の弦を張って演奏します。ギターのように左手で弦を押さえて、右手で弦をはじいて、音を鳴らします。
ルバーブ
マレーシアの弦楽器
三本の弦が張られた胡弓(こきゅう)。床につき立てた状態で、左手で弦を押さえて、右手に持った弓で弦をこすって音を鳴らします。
ラマナー
タイの打楽器
幅が薄く、片側だけに皮が張っている太鼓。床に座ったままで演奏します。真ん中をたたくと低い音が出て、外側をたたくと高い音が出ます。
ダンバウ
ベトナムの弦楽器
1本の弦が張られた琴。右手に持った竹の棒で弦をはじいて、左手で縦棒を左右に動かして音程を変えます。
アンクルン
インドネシアの打楽器
2~3本の竹筒の枠の中に組み込んだがらがらの仲間。一人が1~2個を振って演奏する場合と、木の枠にかけたまま1人から数人で演奏する場合とがあります。