いきもの
AASEAN地域には多様な自然環境があり、さまざまな種類の生き物が生息しています。ここでは、ASEAN地域に生息するめずらしい生き物を紹介します。
ウンピョウ
- 分類
- 食肉目 / ネコ科
- 体長
- 約60~100cm
- 体重
- 約16~23kg
- 分布地域
- ネパール東部から中国南部、東南アジア(特にスマトラ、ボルネオ)
低地の熱帯雨林から標高2,500mの落葉樹林帯まで、いろいろな環境の森林に生息しています。樹上での生活に適応していると言われていますが、泳ぎもうまく、魚を捕えたりもします。通常は群れを作らず、単独で行動しています。体の模様が雲の形に似ていることが、名前の由来になりました。
ドール
- 分類
- 食肉目 / イヌ科
- 体長
- 約80~110cm
- 体重
- 約14~21kg
- 分布地域
- アムール地方から西はインド、アフガニスタン東部、南はインドネシアまで
山岳地帯や森林地帯、草原などに生息しています。通常は、数頭から10頭の群れで生活していますが、時には20~40頭の群れをなすこともあります。ウサギやネズミ、昆虫なども食べるほか、集団で狩りを行い、イノシシや各種のシカをはじめスイギュウなどの大型草食獣も捕獲することがあります。
ボウシテナガザル
- 分類
- 霊長目 / テナガザル科
- 体長
- 約45~60cm
- 体重
- 約4kg
- 分布地域
- タイ東部、カンボジア
熱帯雨林の高い木の上で、家族単位で生活しています。長い手を使って木から木へと移動し、果物や木の葉などを食べています。メスは体が銀灰色で胸と頭が黒く、帽子をかぶっているように見えることが名前の由来になっています。しかしオスは四肢の先と顔の周り以外は真っ黒で、メスとは全く違う見かけです。森林伐採などによって数が減り、テナガザル類の中で最も絶滅が心配されている種の一つです。
アカアシドゥクラングール
- 分類
- 霊長目 / オナガザル科
- 体長
- 約61~76cm
- 体重
- 約14kg
- 分布地域
- ベトナム、ラオス、カンボジア
熱帯雨林やモンスーン林に10頭程の群れで生息しています。殆ど地上に降りることはなく木の上で生活し、木の葉を主食としています。写真のとおり体毛は多彩で、体の各所で、白、黒、銀灰、赤褐色、オレンジなどに分かれた美しい配色をしています。過去の紛争などにより生息地が激減したことから、数がとても少なくなっています。
ダスキールトン
- 分類
- 霊長目 / オナガザル科
- 体長
- 約42~68cm
- 体重
- 約4~11kg
- 分布地域
- マレー半島と近隣の島
低地から標高1,800m程の山地の熱帯雨林などに生息しています。オス1~3頭と複数のメスとその子どもたちで10~20頭ぐらいの群れを作って生活し、木の葉を主食としています。目と口の周りが白いのが特徴ですが、生まれたばかりのときはオレンジ色をしています。
マレーバク
- 分類
- 奇蹄目 / バク科
- 体長
- 約220~250cm
- 体重
- 約250~300kg
- 分布地域
- ミャンマー南部からマレー半島、スマトラ島
熱帯雨林で単独で生活しており、木の葉や草などを食べています。白と黒の2色の体の色が特徴的で、夜行性です。水辺を好み、泳ぎもうまく、外敵に襲われたときは水の中に逃げて身を守ります。現存するバク4種のうち唯一アジアに生息しており、バクの仲間では最も体が大きいことで知られています。生息地の破壊などで数が少なくなり、絶滅が心配されています。
スマトラトラ
- 分類
- 食肉目 / ネコ科
- 体長
- 約1.5~2.2m
- 体重
- 約80~150kg
- 分布地域
- スマトラ島
熱帯雨林で単独で生活しており、サルやシカのほかに魚や昆虫なども食べます。また、他のネコ科動物とは違って水を嫌わず、泳ぎも巧みです。トラの一亜種で、現存するトラの中では最も南に生息しています。体形は小型で、体毛は茶色味が強く、頬の毛が長いのが特徴とされています。生息環境の破壊が進み、現在では絶滅の危機にあります。
パラワンコクジャク
- 分類
- キジ目 / キジ科
- 体長
- オス:約50cm
メス:約41cm - 体重
- オス:約430g
メス:約320g - 分布地域
- フィリピンのパラワン島
フィリピンのパラワン島だけに生息しています。平地や山麓の原生林に生んでいるため、詳しい生態はあまり良く分かっていません。雄は光沢のあるきれいな青色の羽を持っています。求愛の際には、雌に目玉模様のある羽を扇形に広げて見せます。森林の破壊や乱獲により生存が脅かされています。
フィリピンメガネザル
- 分類
- 霊長目 / メガネザル科
- 体長
- 約12~15cm
- 体重
- 約150g
- 分布地域
- フィリピン島嶼部
森の樹の上に生息し、主に昆虫を食べています。夜行性で、名前の由来になった大きな目は夜間に虫を見つけるのに役立ち、大きな耳たぶを動かして昆虫の動く音を探ることもできます。指の先には吸盤があり、木の枝にとまっている時に役立ちます。後ろ脚が長く、ジャンプが得意で、2mくらい跳ぶことができます。また、首を左右に180度回すことができるため、ほぼ360度を見渡すことができます。
オランウータン
- 分類
- 霊長目 / ヒト科
- 体長
- オス:約100cm
メス:約80cm - 体重
- オス:約70kg
メス:約40kg - 分布地域
- ボルネオオランウータン:ボルネオ島
スマトラオランウータン:スマトラ島
ボルネオオランウータンとスマトラオランウータンの2種類がおり、生息地は違いますが生態や習性はほぼ同じです。オランウータンは現地の言葉で「森の人」を意味し、その名のとおり数十mにもなる樹上で果実や木の葉や皮などを食べながら1日のほとんどの時間をすごします。また、夜は毎日違った場所に小枝や葉を使って巣を作り眠ります。近年、オランウータンの棲む森林の破壊が進み、生態への悪影響などの問題が深刻化しています。(写真はボルネオオランウータン)
テングザル
- 分類
- 霊長目 / オナガザル科
- 体長
- オス:約74.5cm
メス:約62cm - 体重
- オス:約20kg
メス:約10kg - 分布地域
- ボルネオ島
インドネシア、マレーシア、ブルネイに属するボルネオ島にのみ生息しています。主に海沿いのマングローブ林や川沿いの湿地林に住んでいますが、一部は川沿いの上流部にも生息します。主に木の葉や果物、特に若葉を好で食べます。オトナのオスは大きな鼻が特徴で、食事の際に邪魔になるときもあり、時々片手で鼻を押し上げながら食べ物を口に運ぶこともあります。泳ぎが得意で、外敵から逃げたり、餌を探して森の中を移動するときに、川を泳いで渡ることがあります。
オジロウチワキジ
- 分類
- キジ目 / キジ科
- 体長
- オス:約77~80cm
メス:約55cm - 体重
- オス:約1.5~1.8kg
メス:約1kg - 分布地域
- ボルネオ島
ボルネオ島だけに生息しています。低地の熱帯雨林に住み、主に昆虫や果物を食べます。オスは紫がかった黒色の体に白い尾羽と、顔には青色の肉垂(にくすい)があります。繁殖期になると、オスはこの青色の肉垂を上下に伸ばして白い尾羽を広げ、メスに求愛します。生息環境の破壊が進み、生存が脅かされています。
カンムリシロムク
- 分類
- スズメ目 / ムクドリ科
- 体長
- 約25cm
- 体重
- 約100g
- 分布地域
- インドネシアのバリ島
この鳥が発見されたのは1912年で、当時からそれほど生息数は多くありませんでした。さらに近年の生息地の開発やペット用に乱獲されたことから激減し、現在ではインドネシアバリ島の「バリ・バラト国立公園」の一部でのみ生息しています。低地の熱帯サバンナに小さな群で済み、虫などの小動物や果実などを食べています。時折、頭の冠を逆立てます。